エレベーター

エレベーター保守の仕事内容とは?現役技術者がわかりやすく解説

エレベーター保守の仕事は、建物に設置されているエレベーターを安全に動かすための点検や修理を行う仕事です。普段あまり目にすることはありませんが、エレベーターは多くの人が毎日利用する設備です。その安全を守るのが、エレベーター保守技術者の役割です。

本記事では、現役技術者の視点から、仕事内容・1日の流れ・リアルな実情までわかりやすく解説します。


エレベーター保守の仕事内容

エレベーター保守の仕事は、大きく分けると次の3つです。

  • 定期点検
  • 故障対応(トラブル対応)
  • 部品交換や修理

それぞれ詳しく解説します。


① 定期点検

エレベーターは法律により、定期的な点検が義務付けられています。そのため保守会社は、担当している建物を定期的に巡回して点検を行います。

主な点検内容は以下の通りです。

  • ブレーキの状態
  • ワイヤーロープの摩耗
  • ドアの開閉動作
  • 安全装置の確認
  • 異音や振動のチェック
  • 制御盤の異常確認

エレベーターは多くの部品で構成されているため、見えない部分まで細かく確認し、事故を未然に防ぎます。


② 故障対応(トラブル対応)

エレベーター保守の仕事で印象が強いのが故障対応です。エレベーターが停止したり不具合が起きた場合、保守会社に連絡が入り、技術者が現場に向かいます。

例えば次のようなトラブルがあります。

  • エレベーターが動かない
  • ドアが開かない
  • 異音がする
  • 階に止まらない

原因は様々ですが、現場で原因を特定し、復旧作業を行います。経験を積むほど、原因特定のスピードと精度が上がります。


③ 部品交換・修理

点検や故障対応の中で、部品の交換が必要になることがあります。

例えば、

  • センサー
  • スイッチ
  • ローラー
  • 制御部品

などの部品を交換します。エレベーターは長期間使用される設備のため、計画的な部品交換と適切な修理が非常に重要です。


1日の仕事の流れ(リアル)

会社によって多少異なりますが、一般的な1日の流れは次のようになります。

  • 午前:担当している建物の点検
  • 午後:別の建物の点検や修理作業
  • 夕方:会社に戻って報告書作成

このように1日に複数の建物を回ることが多い仕事です。この間にも故障対応などのイレギュラー対応が発生しますが、経験年数やスキルに応じて対応していきます。


現場のリアル(きつい?楽?)

結論から言うと、楽な仕事ではありません。

きつい点

  • 夏の機械室は非常に高温(40℃以上になることも)
  • 真夏の昇降路内はさらに過酷で、思わずうめき声が出るほどの暑さになることもあります
  • 夜間対応や休日出勤がある
  • 人命に関わるプレッシャーがある

やりがい

  • 人の命を守る仕事
  • 故障を直したときの達成感(「よっしゃ治った!」と素直に喜べる瞬間)
  • お客様から直接感謝される

特に「助かりました」と言われたときや、自分の手で復旧できたと実感できたときは、この仕事をやっていて良かったと感じる瞬間です。


未経験でもできる?

エレベーター保守の仕事は、未経験から始める人もいます。ただし会社によっては未経験の採用が少ない場合もあります。

また、エレベーターは部品点数が多いため、最初は覚えることが多く大変に感じるかもしれません。実際に私も、部品の名前や仕組みがなかなか覚えられず、数年苦労しました。

それでも経験を積むことで少しずつ理解できるようになっていきます。


資格は必要?

エレベーター保守の仕事に必須資格はありませんが、業務の中で重要になる資格や制度があります。

法定検査(年1回)について

エレベーターは、建築基準法に基づき「定期検査(法定検査)」が年1回義務付けられています。

この検査は、誰でもできるわけではなく、

  • 昇降機等検査員(国家資格)

などの有資格者が実施・報告する必要があります。

そのため、保守技術者として経験を積んだ後、この資格を取得することで、

  • 検査業務に関われる
  • 仕事の幅が広がる
  • 収入アップにつながる

といったメリットがあります。

その他の資格

現場では以下のような資格が役立つこともあります。

  • 電気工事士
  • 玉掛け
  • 高所作業車

これらは必須ではありませんが、取得しておくと現場での対応力が上がります。

会社によっては資格取得をサポートしてくれる場合もあります。


年収はどれくらい?

エレベーター保守の年収は、会社や経験によって差がありますが、

  • 若手:300万〜400万円
  • 中堅:400万〜600万円
  • ベテラン:600万円以上

が一つの目安です。

また、独立すればさらに収入アップも可能です。


向いている人・向いていない人

向いている人

  • 機械いじりが好き
  • コツコツ作業ができる
  • 責任感がある

向いていない人

  • 夜勤や緊急対応が苦手
  • プレッシャーに弱い

将来性はある?

エレベーターはなくならないインフラです。

  • 建物の増加
  • 老朽化設備の更新

により、今後も需要は安定して続くと考えられます。


まとめ

エレベーター保守の仕事内容は次の通りです。

  • 定期点検
  • 故障対応
  • 部品交換や修理

普段あまり目立たない仕事ですが、エレベーターを安全に利用するために欠かせない仕事です。


現役技術者から一言

この記事は、実際にエレベーター保守の現場で働いている技術者の経験をもとに作成しています。

もし迷っているなら、一度この業界に飛び込んでみてください。

最初は大変ですが、経験は必ず自分の武器になります。

そして将来的には、スキルや経験を活かして様々なキャリアの選択肢が広がっていきます。

今後もこのブログで、エレベーター業界のリアルな情報を発信していきます。